【日本のPISA2025結果と見えてきた「学力格差」の課題】
【日本のPISA2025結果と見えてきた「学力格差」の課題】
■調査結果の全体像◇PISA2025でも世界トップクラスを維持
・OECD加盟国の平均得点が低下傾向にある中、日本は科学的応用力5位、読解力4位、数学的応用力5位と高水準をキープ
・「脱ゆとり教育」以降の積み重ねが結果に結びついており、文部科学省も胸をなで下ろす結果に
■懸念される「低得点層」の増加◇トップクラス維持の裏で広がる学力格差
・基礎的な習熟度に達していない「レベル1以下」の割合が全教科で前回調査より有意に増加(科学11.3%、読解力18.6%、数学16.1%)
・ベネッセ・東大の調査でも、家で宿題以外の勉強をしない中学生(40.9%)や高校生(51.4%)が10年前から約12ポイント増と大幅増
・ゲームやSNSなどデジタル環境の影響で受動的な時間が増え、自発的に学ぶ時間が減っている可能性を専門家(耳塚寛明・お茶の水女子大名誉教授)が指摘
■家庭環境(SES)と学力の相関◇経済・社会背景による影響が鮮明に
・文科省の「経年変化分析調査(2024年度)」でも小6・中3の複数教科でスコア低下が確認されている
・自宅の本の数を指標とした社会経済的背景(SES)の比較において、低SES層の子どもほどスコアが低い傾向がPISAでも同様に浮き彫りとなった
・日本は年齢に応じた一律進級が原則のため、理解不足のまま進級する児童生徒へのフォローが急務
■読解力低下の具体的中身◇「短文を速く正確に読む力」の衰え
・読解力の平均得点は503点となり、前回2022年調査(516点)から有意に低下
・長文の熟考や評価を求める問題の正答率は向上した一方で、「短文の意味が通っているかを速く正確に判断する問題」で正答率が低下
・読解力は全教科の学習基盤となるため、今後の学力全体への影響が懸念されている(※2029年の次回調査で重点分析予定)
■今後の支援策と展望◇デジタルとの付き合い方と個に応じた指導
・デジタルツールを単純に遠ざけるのではなく、学習や生活に「能動的に活用する練習」をさせることが重要
・文科省は次期学習指導要領にて、学校の裁量で授業数を柔軟に調整できる制度や個別指導の時間を確保し、低学力層への手厚い支援を強化する方針
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