【10月義務化】もう他人事ではない!企業のカスハラ対策の現状と課題
【10月義務化】もう他人事ではない!企業のカスハラ対策の現状と課題
■ 10月からの義務化と法改正の背景
◇
全企業に対策が義務付けへ:2025年6月の改正労働施策総合推進法により、今年(2026年)10月から規模を問わずすべての国内企業にカスハラ対策(相談窓口の整備やマニュアル策定など)が義務化されます。
条例制定の広がり:2025年4月に東京都や北海道、三重県桑名市などが防止条例を施行したのを皮切りに、現在は10以上の自治体が条例を整備しています。
カスハラに該当する主な行為:大声での執拗な非難、金銭・土下座の要求、従業員の顔や名札を撮影してSNSに公開する行為などが挙げられ、これらは脅迫罪や名誉毀損罪に該当する可能性もあります。
■ 企業の対策状況と直面する「高い壁」
◇
□約6割の企業が未対策:東京都の調査によると、従業員の被害防止対策に取り組んでいない企業は約6割に上ります。
□企業規模による大きな格差:従業員1,000人以上の企業では8割超が対策済みである一方、30人未満の中小企業では約3割にとどまっており、リソース不足が深刻です。
□対策が進まない3大理由:
「正当なクレームとの判断の難しさ」(29.6%)
「ノウハウ不足」(23.8%)
「発生状況の把握が困難」(16.7%)
■ 現場を悩ませる「線引き」の具体例
◇
□ケース1:過剰な要求への発展(BtoC):スーパーで「総菜の味がおかしい」という苦情に対し、事実確認や説明が不十分だった結果、店員が土下座や長時間の謝罪を求められる事態に。初期対応の難しさと、要求が過剰になった際の不当性の見極めが課題です。
□ケース2:ビジネス上の力関係(BtoB):広告制作会社が取引先から「イメージと違う」と言われ、契約外の無償修正を何度も要求されたり人格否定をされたりするケース。相手が企業の場合、関係悪化を恐れて声をあげにくい特徴があります。
■ コンサルタントが教える!これからのカスハラ対策のポイント
◇
□現場の声を聞き「過剰」の基準を決める:顧客の言動への受け止め方は個人や業種で異なります。まずは自社の現場の声を吸い上げ、「要求内容の妥当性」と「手段・態度(回数やプレッシャー)」を総合的に検討して自社なりの線引きを行うことが大切です。
□手軽な対策から始める:三重県桑名市では、店内にポスターやステッカーを掲示しただけで迷惑行為が明らかに減ったという実例もあります。まずは「毅然とした態度を示す」周知から始めるのが効果的です。
□業界内での事例共有がカギ:特にリソースの限られる中小企業が自前でマニュアルを整備するのは簡単ではありません。今後は企業の垣根を越え、業界ごとに事例や効果的な対応ノウハウを情報交換できる仕組みづくりが重要になります。
このブログへのコメントはmuragonユーザー限定です。